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フリーランスに朗報!?政府がフリーランス向けの失業保険を創設

フリーランスとして働いている人は、自身の能力を頼りに、特定の企業に属さず時間の制限を受けない環境で働くことができますが、その一方で国民健康保険などの「社会保険」や「年金」への加入、確定申告などについて理解し、すべて自分で行う必要があります。

また、これまで企業にサラリーマンとして勤め、給料を得て安定した生活を送っていた人が退職した場合、ハローワークへの申告と一定の基準を満たすことを条件に「失業保険」が適用され、保険料が支給されます。しかし、会社員を辞めてフリーランスとして独立することが決まっている場合は、基本的にこの失業保険は適用外。保険料を受け取れる可能性が極めて低くなってしまいます。

フリーランスになった場合、このような保険金や各種手当などの適用範囲が狭く、お給料を得る会社員勤めの人に比べて「金額面でフリーランスは不利である」という見方もあります。これが、フリーランス人口が増えるのに時間がかかる理由の一つにもなっています。そんな中、2017年4月の日本経済新聞に掲載された『フリーランスに失業保険 政府・損保が創設』の記事で、勤め先の企業を退職した後、フリーランスの人でも「失業保険」が受け取れる『新しい保険』の開設を政府が検討していると発表されました。そこで今回は、フリーランスと失業保険の関係、フリーランス向けに新しく新設される保険制度の概要と注意点を詳しくご紹介していきたいと思います。

「失業保険」とは何か?

「失業保険」とは何か?

「失業保険」とは正式には雇用保険の失業給付のことで、企業に勤めて給料を得ている人が何らかの理由により退職や失業した場合に、生活をカバーすることを目的に支払われる保険を指します。この保険料は企業に勤めている間、収入に応じて天引きされ、給与の金額によって保険料も異なります。保険料を支払っている勤労者が失業したときに給与代わりに支払われる、基本手当としての公的な保険。年齢や性別をもとに、6カ月分の給与の平均金額の約5割から8割で計算されることが多いようです。年齢の上限は64歳です。実際の支払いに際しては、勤めていた会社から受け取った離職票をお住まいの地域を管轄するハローワークに申告し、退職事由によって定められている一定の待期期間を終了してからです。

そもそも、フリーランスが「失業保険」を受給できない理由とは?

失業保険を受け取るためには離職票が必要になりますが、この他にも、積極的な求職活動のほか、いくつかの要件が定められています。「ハローワークインターネットサービス」内で定められている要件ををまとめておきます。

(1)受給者本人が再就職する意思を継続しており、いつでも就職できる能力があること
(2)積極的な求職活動を行っていること
(3)離職日以前の2年間で雇用保険に加入し、「被保険者期間」が通算12か月以上あること

この3つの要件のうち1つでも該当しない場合は、失業保険を受け取ることができません。失業保険の金額は、年齢や勤続年数をもとに計算されるため、一定ではありません。さらに、「就職促進給付」なども失業保険に含まれています。失業保険は、会社を退職したら必ずもらえるお金ではなく、仕事がなくなった状況を理由に受け取れるものでもありません。雇用保険に加入していない場合には、失業保険の受給対象から外れるため、仮に上記の(1)や(2)の意思や活動があったとしても(3)の条件から外れることに。結果、失業保険を受け取る権利を得られません。また、ハローワークが、個人・法人を問わず自営業や請負事業を営んでいる方の失業保険の受給は不正受給であると規定しているため、フリーランスの人は総じて失業保険の『受給対象外』だと判断されてしまうのです。

気になるフリーランス向けの「失業保険」とは? その認定基準・加入条件・ルールは?

2017年4月に日本経済新聞でフリーランス向けの失業保険の作成を検討している旨の記事が掲載されました。この記事ではまず、昨今のフリーランスの動向に触れ、システム開発やウェブサイトの制作を手掛けるデザイナーや技術者、翻訳家、ライターなど、フリーで働く人や会社員の傍ら副業を持つ人が増えていることが示されています。同記事の調査によると、現在、本業とは別に副業を持ち、お金をかせぐ人の数は400万人を超えるのだとか。

そんな中で、近年変化の著しい”人の働き方”を活用し、より柔軟に対応する目的から「所得補償保険」の作成を政府が検討しているといいます。また同記事内には、特定の企業に属さず収入が安定しないフリーランスの人たちを支援するため、損害保険大手が保険商品を準備し、2018年度からは保険の発売を検討している旨も紹介されていました。記事によると、新しく新設される保険には最大5割軽減の団体割引を取り入れる方向で検討が進められているとのこと。「フリーランス協会※1」への加入が必要になりますので、ご注意ください。
※1:「フリーランス協会」とは、「働きやすさ」につながる自由がある反面、社会的な補償がなく、保険や年金、ローンが組めない、生活が安定しないという社会的不安を抱えるフリーランスに対して、さまざまな支援を行うことを目的に発足された協会のこと。(公式サイト:フリーランス協会

現在すでにフリーランスを職として活動する人たちへの支援継続はもちろん、これまで興味があってもなかなかフリーランスの道に踏み出せなかった人、出産などが理由でフリーランスへの道を切り開こうと考える人の参入障壁を引き下げることで、フリーランス人口全体の間口を広げるキッカケにつながるかもしれません。また、このフリーランス協会の会員向けの情報コンテンツには、銀行などからの融資やローン、各種の保険や人間ドック、会計や法務、事務のサポート、コワーキングスペースの提供なども含まれています。

もし今回の保険の仕組みが確立されれば、より充実したサービス提供を受けながらフリーランスとして生活する方法を得られるにとどまらず、周囲の理解を得られるようになるでしょう。これは大きなメリットです。時間にとらわれず、家庭の状況に応じた働き方をしたい――そう考える方が会社を辞めてフリーになる動きも促進されるはず。今後の経過次弟ではますます参入者が増えていくでしょう。

しかしその一方で、具体的な運用方法などはまだ明確化されておらず、保険の適用者や細かなルール、仕組みなども正式発表されていないのが現状です。想定される課題としては、フリーランスの失業についての定義をはじめ、被保険者の負担で保険料が賄われるものか、税金の投入による新たな社会保障の仕組みによるものなのか、などがあります。

このように一般向けの失業保険に比べて、「フリーランス向けの失業保険」にはまだまだ不確定な要素が多いのが実際で、生活するうえでは安心できないという人も多いことでしょう。ただし、政府がフリーランスという新しい働き方に目を向け、新たにフリーランス向けに補償を作る動きをしていることは事実ですし、その点は前向きに捉えてよさそうです。フリーランス向けの失業保険をいち早く具体化してくれることに期待しましょう。

失業保険だけじゃない!フリーランスでも加入できる積み立て型保険とは?

失業保険だけじゃない!フリーランスでも加入できる積み立て型保険とは?

フリーランスの方が失業した場合にも、保障を受けられる保険制度もあります。それが「小規模企業共済制度」と呼ばれるサービス。。これは、サービス業を営む従業員が5人以下の個人事業主もしくは会社役員の方が加入できる保険です。従業員数の数は5名と上限がありますが、フリーランスとして活動する開業届を提出している人のほとんどが小規模企業共済の対象となります。この共済制度を使ってお金を積み立てておけば、万が一の失業時に失業手当を受け取ることができます。積立金額は月額最低1,000円から最高で7万円までを自分で設定でき、支払も毎月・半年・1年のいずれかから選択することができます。また、納付が難しい場合、自分の判断で最長1年間納付をストップすることができる「掛け止め制度」を利用する方法もあります。

また、ハローワークにはフリーランスの人でも受け取れる「再就職手当」という制度が用意されています。この再就職手当を申告し、受け取るための条件は以下の8つです。

(1)受給の手続き後、7日間を経過してからの再就職または事業開始であること
(2)再就職または事業開始が決まり、勤務する前日までに失業の認定を受けており、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていること
(3)離職した前の事業所もしくは前の事業所と密接な関わりがない事業所への再就職であること
(4)主に自己都合退職などによる給付制限がある場合、待機期間が終了してからの1か月間はハローワークもしくは職業紹介事業者からの紹介によって就業したものであること
(5)再就職先にて1年以上勤務が可能であること(1年未満の契約社員や派遣社員などはこれに該当しません)
(6)再就職先で雇用保険に加入すること
(7)過去3年以内に再就職手当の受給を受けていないこと
(8)受給資格決定の以前から採用や内定が決まって雇用されていたものではないこと

*詳しくは、ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」を確認したり、お住まいの地域を管轄するハローワークにお尋ねください。

この8つの条件すべてに該当する場合のみ「再就職手当」を受け取ることが可能とされています。また、再就職のかわりに自営の開業でも手当を受け取ることができますので、気になる方は直接ハローワークの窓口に相談してみてください。

政府の「働き方改革」に対する今後の課題

現在では、日本の総人口のおよそ1割もの方々がフリーランスとして活動し、収入を得ているという調査結果も出ています。フリーランスが増加している背景には、クラウドソーシングやクラウドサービスなどの拡大が影響しています。国内最大手のクラウドソージングサービスを運営する「クラウドワークス社」は、2012年3月のサービス開始以降、累計の仕事依頼総額が70億円を超える急成長を遂げました。時間にしばられたくない、自分の能力で生活を成り立たせたい、出産しても仕事を続けたい、独立したいなど、働き方へのニーズが多様化する中で、今回ご紹介したフリーランス向けの失業保険の創設が検討されていることからも、政府が働き方改革に前向きであることが読み取れます。

しかしその一方で、フリーランスと企業間の報酬額や契約内容などは仕事を発注する側の企業が一方的に決定する状況も多く、フリーランスの方々にとっては望ましくない契約方法がとられるケースも少なくありません。フリーランスとして働くニーズが高まる一方、個として活動するフリーランスが企業との間での取引上の不利を押しつけられるなど、働きにくい状況があることもまた事実です。今回政府より発表されたフリーランス向けの公的な失業保険は、まさに国からの後押し施策の一環であり、大きなメリット。今後は、フリーランスの人たちにとって望ましい契約内容のあり方、フリーランスへの契約条件が未整備の企業に対する指針作りなどを通じて、フリーランスの方々がこれまで以上に働きやすく活躍できる労働環境を整備していくことが、政府に求められる直近の課題と言えるでしょう。

最後に

「少子高齢化」の先進国と言われるこの日本では、出産、育児や介護などを理由に会社勤めを辞めざると得ない人も増えています。このように「働きたいけど、働けない」という人にとって、フリーランスという方法は、今後ますます世の中に認知・浸透されるべきことのはずです。

国民健康保険、国民年金を含め、政府による働き方改革を通じたフリーランスへの後押し、フリーランスの活躍に期待しつつ、今後の方針変更・新制度の動きに注目していきましょう。

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